みーぽんBLOG from カリフォルニア
カリフォルニアから時事、政治、環境、日米比較などランダムに綴ります
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悪夢のサイクル ネオリベラリズム循環
都知事選、朝日の調査で石原が盛り返しているというけど、なぜなんでしょう?不思議、、、。今月の月間現代が石原都政8年の検証レポートと称して、石原銀行や都立大改組の問題も含めて興味深い記事を載せています。おすすめです。

さて前エントリーでも触れた、内橋克人著の「悪夢のサイクル -ネオリベラリズム循環」を読み終えました。
悪夢のサイクル



近年非常に話題になり、またわたしも大いに目を開かされた「拒否できない日本」や残念ながらまだわたしは読めていませんが、「格差社会」の間をつなぐような本と言っていいと思います。いかにして日本が「新自由主義」の罠にかかり、格差の大きな社会に転落しつつある羽目に陥ったのか、そしてそれ以外の選択肢はどこにあるのか、ということをわかりやすく述べています。
この本の内容自体はすでに多くの書評が出ていますし、わたしがあれこれ言うより、とてもわかりやすい本なので、ぜひご自分で入手して読んでいただきたいと思います。

わたしが何より考えさせられたのは、バブルの頃から今まで、わたし自身は日本の経済についてどう考えていたのか、ということです。

わたしが就職したのは93年、バブルがはじけて暗いムードになりはじめた頃でした。その頃はバブルがはじけたのは過剰に土地や株に投機し、「財テク」ブームをあおった側も乗った側も悪い、、ぐらいに考えていました。今振り返ると、1987年のブラックマンデーの後、「量的緩和策」をとった日銀が、引き締めにかかるのが遅れたという失策は、わたしたちの目から巧妙に覆い隠されていたと思います。

また当時大企業の正社員だったわたしは、営業担当として取引先の夜逃げなどを経験しながらも、それでも自分の給料は下がらず、デフレで物価が下がっていくことを素直に喜んでいた気がします。

その後不況の中1997年に消費税が5%に引き上げられ、さらに不況のどん底に落ちたこと、その頃から、政府の失策を覆い隠すかのように、「官僚主導が悪い」「護送船団方式が悪い」ということになり、首相がころころ変わる中、小泉が「構造改革」というスローガンでアピールし始めたときに、閉塞感を打ち破ってくれるような、期待感をわたしもつい感じたことを思い出します。今振り返ると、自分の浅い見識を恥じるばかりです。

ことの本質を覆い隠すような、耳に心地のよいスローガンほど、注意して取り扱わなければならないと、今はよくわかります。権力者の側が口にするスローガンとは、辺見庸が言うように、ニュースピークであって、国民の側を思考停止に追い込むものだと思います。

この本を読んで、「新自由主義は間違っている」という結論に至るのは簡単です。しかし、戦後ずっと「地元に仕事を持ってきてくれる」土建自民党体制を支え、自ら道を切り開こうとしなかった国民の責任をなかったことにすることはできないでしょう。官僚に非はあるかもしれませんが、官僚にまかせきりにしてきたのも国民の側であるのです。

また、急激に進む少子高齢化の中、年金、老人介護、少子化対策をどうするのかという問題にも直面しなければなりません。そして不況を脱出する手段として一時的に企業によるリストラを許したとしても、所得の移転がまだ起きていない以上、好景気は続かないということを国民の側が声を大にして主張しなければなりません。

アメリカは新自由主義を推し進めた結果、投資家にとってももうぺんぺん草も生えていない、うまみのない場所になってしまいました。彼らはもはや日本もほぼ通り越して、中国やインドなどで草刈に励んでいます。逆に、日本人がゆっくり自らにふさわしい形で国を再生する方法を議論し、立て直すのに良いチャンスかもしれません。



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テーマ:新自由主義 - ジャンル:政治・経済

この記事に対するコメント
新自由主義
始めまして。ピチピチ大学生のかずくんです☆

「新自由主義」ですが・・・。聞いた事もなかった言葉です。

環境問題に少し関係がありそうな気がするので、「悪夢のサイクル」を読んでみようと思いました!

それにしても、国民が高い問題意識を持っていれば、もっと社会は良くなるだろうなぁーというのは分かるのですが、じゃあどうすればいいのか?と言われると、返答に困ってしまいます。困ったものですね・・・・・
【2007/03/23 22:14】 URL | かずくん #xXEjeAwI [ 編集]

かずくん
コメントありがとうございます。
「新自由主義」はどうしても「あらゆる規制に反対する」という考え方ですから、環境問題のように規制が必要な分野ではぶつかりあいます。大いに関係があるといってよいと思います。

じゃあどうすれば良いのか?のあと無気力におちいらないためにオススメの一冊があります。田中優著の「戦争をやめさせ環境破壊をくいとめる新しい社会のつくり方」です。
時間がある学生時代に、せっせと本を読んで、より良い未来を築くための底力をつけていただきたいと思います。
【2007/03/24 14:01】 URL | みーぽん #- [ 編集]

自分のブログにアクセスできません
おはようございます。とむ丸です。
朝から自分のブログが開けられません。よろしかったら次の所にも私のサイトがありますので、見ていただけますか。
http://tommaru.blogsome.com/

【2007/03/28 09:48】 URL | とむ丸 #- [ 編集]


お騒がせいたしました。やっと復旧しました。m(_ _)m
【2007/03/28 16:35】 URL | とむ丸 #- [ 編集]

さらに翌年就職しました(笑)
お久しぶりです。
私は、94年就職組です。
バブルの発生については、ちょっと違った感覚を持ってますが、
バブル崩壊以降の閉塞には、同じような感想をもっております。
……たぶん、社会に出て以来、不景気しか知らないからなのでしょうね。

もっとも「構造改革」って、どうとでも取りようがある言葉で、
小泉サン自身も、定見なく「オレの行く方向が構造改革だ」ってニュアンスだったように思ってます(爆)
「構造改革」の必要性を感じ、小泉サンを支持したものの、肝腎の小泉サンは迷走して投げ出した今、何を構造改革するか、私らの間で確認しないといけませんよね。

さて。
USAで起きていることは、「成熟してからの大量消費社会を、どういう方向へシフトさせるか」という試みへの反動、と私は総括してます。それが「新自由主義」の正体でないかな?と、思ってます。
ブッシュJrになってからは、製造業界が元気になっているのに対し、クリントンのころには金融業界が元気がよかった、……そういう意味でブッシュJrは”復古的”でないかなと思ってます。明確に両者は区別でき、ブッシュJr的な方針ではそれこそ地球環境が保てず、「ぺんぺん草も生えない」社会になるから未来がないはず……なのですが、日本の論調では両者が「アメリカ的なもの」と混同されています。

その上で、「日本はものづくりを大切にして」とかいい、結局はブッシュJrに反対しているようでいて、同じ方法論で「景気回復」を目指しているのが、私には滑稽なのです。

日本の電電ファミリーと言われた某大企業の社長-今は会長になってはるけど-が、こんなことをかつて言ってたのを思い出しました。
「経済成長がなくても、利益を出せる企業体質にしたい」
結局この社長サン、言っていることとやることとが方向も一致せずに、大失敗するのですが、変らなければいけないのは、この辺りでないかな、と思うんです。。

「持続可能な経済」っていうのでしたっけ?
【2007/03/30 01:29】 URL | デルタ #JnoDGgPo [ 編集]

デルタ様
コメントありがとうございます。「ほぼ」同世代の方だったのですね。

>USAで起きていることは、「成熟してからの大量消費社会を、どういう方向へシフトさせるか」という試みへの反動、

ご明察だと思います。アダム・スミスが予想していたのは、キリスト教倫理を持った対等な売り手と買い手が、あくまでも「余剰の」財貨を、どう効率的に流通させるか、という世界だったと思いますが、いまではあくまでも「投資する側の儲けを増大化する」という視点しか無くなってしまっていますよね。

わたしはクリントンもブッシュも「投資家の視点」という意味ではあまり変わりがないと思っています。クリントンはスマートに日本などから(「年次改革要望書」ですよね)富を吸い込むことに成功しましたが、ブッシュとその取り巻きは、「戦争産業の株を買って、戦争を起こして儲ける」という邪悪なインサイダーをやったことで、やりかたの悪辣さが目立つように思います。

投資家主導の世界で、「持続可能」とはどういう意味かといえば、パイの大きさが成長しない以上、力が強いものが取り分を広げ、力のないものは落ちていくということではないですか。ただおっしゃるとおり、クリントンのほうが、パイの大きさが同じでも、「食い尽くすばかりでなく、メンテナンスだって可能だ」と言ったという意味では見識があったわけですね。

またゆっくり考えさせていただきたいと思っています。
【2007/03/30 11:01】 URL | みーぽん #- [ 編集]

審判=プレーヤーという不正
>パイの大きさが成長しない以上、力が強いものが取り分を広げ、力のないものは落ちていくということではないですか。
この決めつけが、僕には怖く思えるのです。これこそが、ダーウィニズム的な世界観でないかな、と思うのです。それよりは、僕は、今西錦司的な世界観がより実際の経済活動に近いと観察して思っています。

何かスポーツ大会に喩えると、パイの大きさの成長と勝者の独占とに相関がないことわかりやすいでしょうか?

パイの大きさ=大会の賞金総額
勝敗=試合のルールと大会の運営方法とにより決まる。

力が強いものだけが勝つ、というのはそのようなルールで勝敗を判定するからであって、賞金総額が拡大しないから、というのは関係しませんよね。
かつて(バブル崩壊直後)、日本国内を「勝ち組企業」と「負け組企業」とに振り分け、「負け組は永遠に負け続ける」と日経新聞あたりが予測を喧伝してましたが、5年もしないうちに、「負け組からの復活」という奇妙な事実を追認(というのか、過去の定義に頬被り)せざるを得ない事態に至りましたよね……たとえば鉄鋼業界。

むしろ、勝ち組とされるものたちが、その社会的影響力を用い、主に政治の力を使って状況を優位に展開させようとすることに、「勝ち組が勝ち続ける」理由があると私は見ているのです。
優勝者がルール制定委員会に潜り込み、ルールを変えていっているという喩えがいいでしょうか。
(例、鉄道貨物は自前で線路を敷設しそれに対して固定資産税を払わなければならないのに対し、自動車業界は道路を税金で造って貰えたことなど)

こういうイコールフィッティングでない部分を修正することが先決と見るのですが、いかがでしょうか。
【2007/04/01 23:26】 URL | デルタ #- [ 編集]

世界観、、
デルタ様

ちょっと誤解を生じさせてしまったようです。私自身がダーウィン的な世界観を持っているというつもりはなく、「アメリカ的な」新自由主義を標榜する人の世界観を批判するつもりだったのです。

今西錦司(恥ずかしながら今まで知りませんでした)の「棲み分け」論は興味深いですね。

おっしゃるとおり、強者がルールを作ることの不正は、関岡英之もスティグリッツも両方述べています。これが今の市場経済が公平でないことの大きな理由のひとつと思います。
【2007/04/03 01:32】 URL | みーぽん #- [ 編集]

TB代わりに・・・
こんにちは。
最近また「FC2」の方にトラックバックが通らなくなってしまいました。(^_^;)
コメント欄TB(?)で失礼します・・・。m(__)m

『悪夢のサイクル』
http://kihachin.net/klog/archives/2007/04/uchihashi.html
【2007/04/28 10:35】 URL | 喜八 #WE/hy34. [ 編集]


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プロフィール

みーぽん

Author:みーぽん
複数の外資系秘書を経て英語通訳者に転身、2007年に夫の地元カリフォルニア州サンタクルーズに引っ越しました。
2年間こちらで環境金融の会社のアドミ&会計を担当した後、2009年からフリーで通訳・翻訳をしています。
TwitterのIDは@miepongです。



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