みーぽんBLOG from カリフォルニア
カリフォルニアから時事、政治、環境、日米比較などランダムに綴ります
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排出権市場にわたしが関わる?
今日はちょっと毛色が変わって、あまりブログができない言い訳です。

実は、今自分自身が環境関連のNPOの立ち上げに専従者として関わらないか、という話が来ていて迷っているところです。

すでにCO2の排出権市場については、ヨーロッパ先行で、アメリカにもシカゴ気候取引所(CCX)など、すでに確立したスキームがあります。

今回わたしにお誘いが来ているのは、CO2ではなく、水質汚染、土壌汚染、もしくは地下水のくみ上げに関して、汚染物質の排出企業や、地下水を一定以上くみ上げる主体に対して、課金していこう、そしてその排出権を、CO2と同じような形で市場でクレジットとして取引できるようにしよう、というものです。
自分でも完全に呑み込めていないので、必死こいて勉強中です。

京都メカニズムの画期的なことはなにか、といえば、これによって、何人たりともタダで二酸化炭素を排出することはできなくなった、ということなんですよねー。排出する以上は、地球環境に損害を与えることなのだから、そのコストを払え、ということです。

では、それを「水質汚染」「土壌汚染」「地下水の枯渇」といった問題に対しても応用していくことはできるものだろうか。

CO2の場合、汚染主体も主に企業、でも実際は万民なら、被害を受けるのも全世界の住民なので話はまだややこしくないのですが、水質汚染などの問題だと、すでに映画の「エリン・ブロコビッチ」のように、だいたい汚染企業vs地域住民のような問題がすでに存在して、進行する集団訴訟もたくさんあったりして、すでに企業が訴訟費用を考えて戦々恐々としている、という現実があるわけです。

今わたしが関わろうとしているのはアメリカでのイニシアチブについてなので、日本にどこまで当てはまるのかもちょっと検討もつかない、そんな状況です。

アメリカではすでに80年代に酸性雨の原因となるNOxを減らすのに、市場メカニズムが効果的であった、という実績があります。

皆様は市場メカニズムを通して、「市場資本主義が今まで無視してきた外部性」を取り込む、というイニシアチブについてどう思われますか?皆様のご意見もぜひいただきたいです。

まだ本もあまりないので、英語のウェブからの資料を汗をかきかき読みながら、スティグリッツをあいまに読んでいます。


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テーマ:環境・資源・エネルギー - ジャンル:政治・経済

この記事に対するコメント
TBありがとうございました
 みーぽん様、TBありがとございました。「市場資本主義が今まで無視してきた外部性」
を取り込むというのは、状況を改善するには相当に効果があると思います。(それで全ての問題が解決できるわけではないとも思いますが)

 でも、外部性の内部化というのは通常は環境税を通して行うべきことではないかと思います。地下水の汲み上げや水質汚染に環境税をかけるというシステムならわかるのですが、それを排出権取引の対象にするというのが、どのようなシステムなのかイマイチ分からないのですが・・・。
 汲み上げや汚染物質の排出を企業が減らした分をクレジットとして市場取引の対象にするというのでしょうか? でも誰がそれを買うのだろうとか思ってしまいます。
 私には環境税の方が有効な手段と思えますが、よく分からないので何とも判断できません。また勉強の成果をブログに書き込んでください。
 人生何事もチャレンジなので、展望がありそうで、面白そうだったらやってみては如何でしょう? (逆に言えば、勉強の結果、これはうまくいかないだろうと思えれば、遠慮しといた方が無難なのでは?)。
【2007/04/03 11:24】 URL | #YCmkle0Y [ 編集]

クレジットの取引です
関様
コメントありがとうございます。
基本的には、CO2と同じように、キャップ&トレードで、排出量もしくは地下水のくみ上げ量に制限を設け、超える分はクレジットを買うか、浄化プロジェクト、地下水の再注入プロジェクトなどでクレジットを生み出すことでカバーするか、というものです。
キャップを超えつつもプロジェクトに参加できない企業はクレジットを買うことができますし、排出、くみ上げをしない企業も、浄化プロジェクトで生み出したクレジットを売ることができます。
「税金」には受容的な国とそうでない国があるので、炭素税と同じく、北欧のように税金でカバーする国と、市場を通して浄化しようという国と、両方あってもいいのではないかな、と思っています。

【2007/04/06 17:08】 URL | みーぽん #- [ 編集]

はじめまして
訪問者リストから来ました。興味深いお話をされていると思って、最初から読ませていただいている最中です。

私は「市場資本主義が今まで無視してきた外部性」を取り込むというアイディアには基本的に賛成です。税や規制という形で権力が介入するよりも、市場を介在させてバランスをとる方法を採用する方が仕組みとしてはシンプルになると考えているからです。ただし、バランスがとれるならば、という条件がつきます。
というのも、現在の金融資本主義の中には自己増殖する能力があるからです。株の取引などを通じて金が金を生む制度ですが、これが大問題なのです。ここを解決せずに「市場資本主義が今まで無視してきた外部性」を取り込むなどということをやってしまうと、目も当てられないことになってしまいます。
金融で増殖した資本は市場を通じて外部を支配します。これが資本主義の根本的な構図です。どのように支配するかというと、資本を金融システムを通じてある限定された人々の元で増殖させ、増殖した資本と増殖できない外部とを市場という仕組みでつなぎ、資本と外部とのアンバランスをてこに支配を行うのです。
ここでいう外部とは、未だ取り込まれていない外部のことを指しているのではありません。現在資本主義経済体制の中に取り込まれている実質経済そのものが、実は資本にとっては本質的に外部なのです。「市場資本主義が今まで無視してきた外部性」を取り込むということは、増殖する資本をそのまま放置した状態で行うならば、新たに資本によって支配される外部を追加するということになってしまいます。
これがどれほど恐ろしいことか、考えてみてください。現在でも食料やエネルギーなどの増殖できないもの(=人類の平等にいきわたるべきもの)が市場のメカニズムによって偏在するようになってしまっています。ここ新たに環境権までもが入り込むことになってしまったら? 環境権という概念を生み、それが取引できるということは、買い占めることができるということです。もし、買い占められてしまったら? 
【2007/07/14 09:03】 URL | 愚樵 #- [ 編集]

愚樵さま
コメントどうもありがとうございます。
いろいろと考えさせられました。愚樵さまの復帰もうれしく、ちょこちょこ読ませていただいています。

>金融資本の自己増殖の能力
>実質経済そのものが、実は資本にとっては本質的に外部
それほど「儲からない」日常の営みがどんどん疎外され、儲かるけれど実体のないマネーの動きだけが激化しているということでしょうか。

CO2取引の実績も横目でみながら、スキームの研究をしたいと思いますが、いまのところ幸か不幸かそれほど「儲かる」ものではなく、また登録制でもあるので、投機的なマネーの流入はないようです。どちらかというと、「社会貢献ファンド」的な位置づけでしょうか。

クレジットの売り上げで環境修復、保全プロジェクトへの予算が確保されるわけですから、一定量の排出量を複数の企業に割り当て、結果としてある企業が全排出量を買い占めたとしても、(ようするにほかの企業が排出する分まで支払います、ということですよね)理論的には排出量、そして環境保全にあてられる費用は変わらないはずです。

クレジットのよいところは、「排出、汚染はしないが、より低いコストで浄化する技術のある」企業にとって、環境浄化事業に参加するインセンティブを与えることだと思います。

また、もし環境NPOが、巨大な資金力を得て、クレジットを大量に買い、なおかつ市場に放出しなければ、クレジットの価格を維持し、削減ゴールを高いままに維持することができます。環境NPOを機関投資家として育てていく、ということも一つではないかと思っています。

おっしゃるとおり、バランスを保つことが肝ですよね。これからもお知恵の拝借をさせていただくのを楽しみにしております。
【2007/07/14 11:15】 URL | みーぽん #- [ 編集]

資本にとっては外部とは
ごめんなさいね、もうひとつ。

資本にとっては外部ということですが、要するに、実体経済と仮想経済は別々の論理で動いている、ということなんです。市場はこの別々の世界をつなぐシステム。そういう風に考えることはできないでしょうか?
実体経済、すなわち、私たちの生きている世界は、(今のところ)地球という空間に限定され、さらに熱力学第2法則によって規定されています。要は無限に増殖はできないということです。ところが仮想経済にはそういった法則は働きません。働くとすれば、市場というブリッジを通してのみ。ですから、資本が実体経済に直接コミットしない金と金の間でなされる運動(金融経済)においては、増殖できないという制約が働きません。両者は別々の世界なのです。それが「実質経済そのものが、実は資本にとっては本質的に外部」ということなのです。
両者が別々ということが如実に現れる現象がバブルです。資本の膨張が暴走し、市場というブリッジを通じて実体経済に悪影響を与える。

>クレジットのよいところは、「排出、汚染はしないが、より低いコストで浄化する技術のある」企業にとって、環境浄化事業に参加するインセンティブを与えることだと思います。
このインセンティブは重要で、このインセンティブが生まれるからこそ私はご意見には基本的に賛成なのです。さらには、このインセンティブは「技術のある企業」にのみ生じるものではないと思います。排出、汚染をしない生き方を選択する個人や共同体などにもインセンティブが生じます。今、盛んに言われているスローライフとか、そういったものが単なる趣味、道楽ではなく実利のある生き方として選択できる可能性が生まれてきます。

ここまではいいのですが、問題はそうした実利が市場の中で相対的に規定されるということなのです。つまり交換比率ですね。費用の総額が保証されても、その総額がいかほどの意味を持つか、ということを問わねばなりません。相手は膨張する世界です。その総額の実利を相対的に低下させることができます。

>もし環境NPOが、巨大な資金力を得て
とても夢のある話で大いに期待したいところなのですが、ただ思うに、発想が「お金」中心なのではありますまいか。つまりお金で測定するというところから自由になっていないように思います(エラソーで、ごめんなさい)。市場によってバランスされるお金も、もう一方のもの(実体経済や環境権)も、本来はもともとお金などで測定できないもののはずです。それをお金で測るのは、流通させるためのあくまで便宜上のものでしかありません。お金を便宜以上のものと捉える発想から自由にならなければ、お金を相対化することは難しいと思います。
【2007/07/14 13:00】 URL | 愚樵 #- [ 編集]


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プロフィール

みーぽん

Author:みーぽん
複数の外資系秘書を経て英語通訳者に転身、2007年に夫の地元カリフォルニア州サンタクルーズに引っ越しました。
2年間こちらで環境金融の会社のアドミ&会計を担当した後、2009年からフリーで通訳・翻訳をしています。
TwitterのIDは@miepongです。



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