みーぽんBLOG from カリフォルニア
カリフォルニアから時事、政治、環境、日米比較などランダムに綴ります
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とうもろこし燃料は思ったより深刻だ
実はちょっと前、代替案さんのブログの、「食糧生産も熱帯林も脅かさないバイオエタノールの生産法」というエントリに、「トウモロコシで人間の食料と競合する、というのはプロパガンダではないか」というコメントをしました。

そういう風に書いた第一の理由は、トウモロコシは人間の口に入るよりも、家畜のエサとして使われるほうが絶対量が多いからです。ところが、実際にメキシコからのニュースで、貧しい人々が「トルティーヤの値段が倍になった」と嘆いている姿がすでに報道されているのを見て、軽々しく「プロパガンダでは」と書いたことを反省させられているところなのです。
実はとうもろこしの生産は、小麦などの生産に比べ、水も肥料も大量に必要だという問題があります。ところが、とうもろこしの市場価格が上がったせいで、最近アメリカでもメキシコでも大豆などからの転作があいついでいます。

そこで問題になってくるのが、土壌、地下水、生物多様性、農業従事者へのインパクトです。

まず、1リットルのエタノールを得るには、2.3Kgのもとの土壌が失われます。これを補うために、大量の硝酸を含む化学肥料が使われます。土壌流出や、生物環境への負荷がかかります。

またとうもろこしに適した農地の地価が上昇するので、新たに転反される農地に参入できるのは大手企業ばかりで、小、中規模の農家がますます減る可能性があります。アイオワ州では、すでに50%の農地は企業系に所有されているのです。

もっとも深刻でありながら看過されているのが、水系への影響でしょう。1リットルのエタノール生産のために、なんと4リットルの水が必要になります。とうもろこしへの転作により、地下水の過剰なくみ上げ、そして地盤沈下の問題が加速します。

現在ブーム的にトウモロコシが注目されているとしても、現在のペースでは到底持続不可能です。

アメリカでは、EPA(環境局)が、「(とうもろこしの実からでない)セルロースによるエタノール生産が主流になるだろう」と発言していますが、その背後にはこういった問題への認識があるのでしょう。そうすれば、とうもろこしの実は飼料、食料に回し、茎や軸を燃料に回すことができます。

日本でも木質チップからのエタノール生産が実験的に進んでいると聞きます。代替案さん、森林の間伐材とか、落とした枝とかをエタノール生産に回すという話はないんですかねえ。

エタノールブームに警鐘を鳴らすと同時に、やはりもっと直接的に太陽のエネルギーを効率的に使用でき、環境に負荷がかからない、太陽光、風力発電とかにもっと焦点があたるべきですよね。
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テーマ:環境・資源・エネルギー - ジャンル:政治・経済

この記事に対するコメント

はじめまして。
エタノール燃料を使っているブラジルでは不完全燃焼の際に発生するアセトアルデヒドを好むカビが増えてビルが黒くなっているのだそうです。
また、とうもろこしを根こそぎ抜いてバイオ燃料に利用すると土地がますますやせてしまうという問題も起こるということです。
新しい方法が考えられ、また新しい問題が生じ、そうしている間にも地球の環境はどんどん悪化しています。マイカーには乗らない、ゴルフはしない、海外からの木材、食料の輸入は減らすなど、少しでも無駄なエネルギーを使わないことを考えることが必要です。
もう、いもしない敵のための軍備などにお金を使っている暇はありません。労力とお金は食料生産に費やし自給率アップが政府の緊急課題です。
【2007/04/07 01:33】 URL | 健全なる母 #- [ 編集]

健全なる母様
コメントどうもありがとうございました。
エタノール燃料には「カビが増えてビルが黒く」なるという問題もあるのですね。
「すこしでも無駄なエネルギーを使わない」ために、できることもたくさんありますよね。
以前にもコメント欄で紹介しましたが、田中優さんの「戦争をやめさせ環境破壊をくいとめる新しい社会のつくり方」という本をお読みになりましたか?
わたし自身、日本の農林業もより有機的で持続可能なものになるべきだと思っています。ただ自給率を上げること自体が緊急の課題、とまでは思っていませんが。
今後もまた弊ブログにいらしてくださいませ。
【2007/04/09 12:56】 URL | みーぽん #- [ 編集]


はじめまして。
先日は、トラックバックありがとうございました。
わたしのまわりでは、バイオ燃料はあくまでも「つなぎ」として受けとめている人が多いです。
次世代燃料として有効なのが、太陽光か燃料電池かわかりませんがそれまでのあくまでも「つなぎ」です。
「つなぎ」なので次が出てくれば、とうもろこしも大豆もその時点で見捨てられる。
そう考えている人が多いです。
しかし、その代償はあまりに大きいと思います。
ブログでは書きませんでしたが、アメリカではこれまで使っていた農薬の効かない雑草がはえたりしています。
これは遺伝子組み換え作物が原因です。
わたしたちは、豊かさを求めてずいぶんと遠くまで来てしまったように思います。


【2007/04/13 23:05】 URL | Tipi #- [ 編集]

Tipi様
家畜の飼料や食用油の原料として、遺伝子組み換えの作物はわたしたちの口にも大量にはいっていること、Tipiさんのおかげで気づかされました。

短期的な効率アップが、長期的な持続性につながらないことが、あらゆる側面でどんどん明らかになっていますよね。

今後とも末永くよろしくお願いいたします。


【2007/04/16 18:08】 URL | みーぽん #- [ 編集]


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プロフィール

みーぽん

Author:みーぽん
複数の外資系秘書を経て英語通訳者に転身、2007年に夫の地元カリフォルニア州サンタクルーズに引っ越しました。
2年間こちらで環境金融の会社のアドミ&会計を担当した後、2009年からフリーで通訳・翻訳をしています。
TwitterのIDは@miepongです。



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