みーぽんBLOG from カリフォルニア
カリフォルニアから時事、政治、環境、日米比較などランダムに綴ります
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

無関心は暴力だ:投票率と車内強姦事件
【訂正】容疑者の名前を訂正しました。とむ丸さん、ご指摘ありがとうございます。やはり感情的になっていると、ミスが増えてしまうのですね。
こちらの事件をご存知でしょうか。
<強姦>特急内で暴行、容疑の36歳再逮捕 乗客沈黙
今日は本当は最近話題になっている投票率の低さについて書くつもりだったのです。これはある程度経済的に豊かな社会に共通したものなのかな、ほかの先進国ではどうなんだろう、調べて見たいな、と。

そんなところでこんなニュースが飛び込んできたので、わたしのふだんの原則「社会科のお勉強」のお勉強の部分をはしょった短評を載せます。
わたしにとってまずショックだったのは、乗客が40人もいたにも関わらず、みな植園容疑者の恫喝を恐れ、だれも彼を止めようとしなかったということでした。しかも、今回の北陸線での出来事が唯一の事件ではなく、ほかにも駅構内や車内での暴行が繰り返されていたとの事です。

植園容疑者は周囲の人間はどうせ無関心だと学習し、犯行を繰り返すにいたったのでしょう。

わたしが同じ車両にたまたま乗り合わせていたとしたら、どうしたでしょうか。こういった事件に「もしも」はありえませんが、なんとかして止めようとした、と思いたいです。せめて駅員を呼びに行くぐらいできそうではないですか。車掌は植園が無賃乗車をしていることを知りながら、下車を促さなかったそうです。「駅で嫁がカネを持って待っている」と言ったから、と。そして被害者女性が容疑者の知り合いだと思った、と言っているそうです。もし車掌の言い分が本当なら、車内を巡回する車掌を呼び止めなかった乗客の罪はもっと重いように思います。

わたしは実はこうした「見て見ぬふり」を自分でも何度も体験しています。女性専用車両で大またを広げて知らんふりを決め込む男性、それに対して何も言えない周囲の女性。あきらかに痴漢にあっていやそうにしているのに、何もいわない男性を含む周囲の乗客。

こうした場合、わたしはできるだけ声をあげ、周囲の乗客や駅員の協力を求め、周囲の迷惑になっている行為を止めようとしてきたつもりです。

良く今まで命がある、と思われるかもしれませんね。でも、すべての場合で、迷惑行為をしていた人間も、わたしをにらみつけたり、悪態をつきながらも迷惑行為をストップしてくれました。それはたった一人の女性である私が怖かったからではなく、わたしが周囲の乗客の代表していることが見て取れたからではないか、と思っています。

わたしの背後にいる、同乗者全員を敵にまわしてでも、迷惑行為を続ける神経がある人を、わたしは目にしたことがないのです。口火を切る勇気がない大多数の方々は、こういう力学に気がつかないのではないかと思います。

わたしがこういう事件があるたびに思い出すのは、「自分の子供にどんな人間になってほしいか」という国際的な意識調査です。海外では「世のため人のためになる人間に」というのが上位に来ますが、日本では「周囲に迷惑をかけない人に」というのが上位に来る、という結果であったと記憶しています。

人様に迷惑をかけない、けれど、「迷惑にあっている人様」を助けるための積極的な行動には出ない、という国民性でしょうか。

たぶん「向こう三軒両隣」のような意識があった時代は、もうすこし「同じ共同体の利害は守る=せめて同じ車内の女性は守る」ぐらいの意識があったのでしょうけれど、今は本当に自分ひとり、それ以外には無関心を決め込む時代になってしまったように思います。

この意識は、クラスの中でいじめにあっている子がいても、見て見ぬふりをすることで、結局全員でいじめに加担するという構図と同じですよね。こんな事件が起こるということ、海外から見てもなんと恥ずかしいことでしょうか。

これは慰安婦問題に関する、被害者に対する共感の不能とか、「なんとか還元水」といけしゃあしゃあと言えたり、そういう人を閣僚として残せる神経とか、そういう無神経さと同根に思えます。

投票率の話にもどると、わたしが親しくしている女友達に「選挙に行かないの?」と言うと、「政治は難しくてわかんない」といいます。「だって柳沢発言とか松岡大臣とか腹立たない?」と言うと、「だってこんどの選挙とは関係ないでしょ」と言われてしまいます。「いや、関係あるんだよ、対立政党に投票すれば、『こういう人を大臣にしてる政党に反対です』って意思表示ができるんだよ」というと、「へええ、みーぽんってすごーいこと、考えているんだねえ!」と妙に関心されてしまいます。

前にもどこかで書きましたが、「拠らしむべし、知らしむべからず」というお上の意図はもちろんあるけれど、やはり「自分さえよければ」の文化はそれよりももっと分厚く、重苦しく垂れ込めているように思います。

無関心暴力である」ということ、今回のような事件を通して、わたしたちひとりひとりの心に刻んでいければ、と心から願っています。


スポンサーサイト

テーマ:これでいいのか日本 - ジャンル:政治・経済

この記事に対するコメント
入力ミス
植園が植草になっていますよ。

一瞬、フリーズしてしまいました(爆)。
【2007/04/24 14:52】 URL | とむ丸 #rZtJR6xo [ 編集]

とむ丸様 ご指摘ありがとうございます。
ご指摘ありがとうございました。自分でもびっくりのミスでした。
「フリーズ」もごもっともなんですけど、含意は全くありませんでした。ホントですよー。
最近の暴力事件の連続で、アドレナリン昂進状態が続いています。
深呼吸して丁寧なエントリに心がけたいと思います、、、。
【2007/04/24 16:32】 URL | みーぽん #- [ 編集]


>「フリーズ」もごもっともなんですけど、含意は全くありませんでした。ホントですよー。

もちろん、わかってますよー。
【2007/04/25 00:15】 URL | とむ丸 #rZtJR6xo [ 編集]


おじゃまします!初めて書き込みします。

これってイジメにも共通しますよね。イジメの傍観者は無関心もいるだろうけど、
明日は我が身とおもってビビっている人もいるんではないでしょうか。
長崎の市長刺殺事件にしてもそうですが、暴力が皆を縮こまらせているとおもいます。
暴力団風の人間に凄まれたら普通の人間なら腰が引けルト思います。
無関心も非常に嘆かわしいですが、跳梁する暴力をもっと糾弾すべきだと私は思います。
【2007/04/25 11:21】 URL | 縮こまり社会 #- [ 編集]

縮こまり社会様
お初のコメントどうもありがとうございます。

>暴力が皆を縮こまらせているとおもいます

まったく同感です。でもそれは昔からいつも同じだったと思いますか? 昔の日本社会はもっと乱暴だったと思うのです。そういう意味で暴力はもっと身近なものだったのかもしれません。
暴力がふだんの自分の生活に「あるはずがない」と思っているゆえに、止めることができる暴力に対してさえ萎縮してしまうのでしょうか。暴力は「あるべきでないが、あるものだ」ということ、それにどう立ち向かうのか、もっと直視する必要があるかもしれませんね。
「跳梁する暴力をもっと糾弾」は当然のことですが、心の中で糾弾していても、わたしたちの行為にまったくあらわれなければ、もっと跳梁されてしまうでしょう。

【2007/04/25 12:54】 URL | みーぽん #- [ 編集]


「無関心は暴力である」おっしゃるとおりです。
「見て見ぬ振り」が、いつの間にか「見えなくなってしまう」。
今の日本の状況はそんな感じがします。
自分で考える力が急速に衰えているようです。
こちらのブログは、とても勉強になります。ありがとうございます。
【2007/05/14 21:35】 URL | 健全なる母 #- [ 編集]

TB代わりに・・・
こんにちは~。
先日から「FC2」利用の方にTBがまったく送れません(涙)。
そこで、TB代わりにコメント欄で失礼します~。m(__)m

「俺がやるしかない」
http://kihachin.net/klog/archives/2007/05/yareyare.html
【2007/05/16 12:16】 URL | 喜八 #WE/hy34. [ 編集]

喜八さん
FC2と相性がよくないんですかね、、(;_;)
喜八さんの勇気と行動力に同志を得た思いですよー。
(あ、もちろんケーサツ沙汰になるような介入はワタシには無理ですけど、、、)
【2007/05/18 12:15】 URL | みーぽん #- [ 編集]


はじめまして、frtyと申します。たまたまこのブログを見つけたんですが、なかなか興味深いですね。僕も最近、社会批判などの思考をつづるブログを始めたんです。良かったら除いてみてください。相互リンクしてくださるとさらにありがたいです。(お互いの閲覧者アップのためにも・・・w)

さて、このエントリーの議論のテーマである「無関心の暴力」ですが、僕も同感です。日本社会ってどうしてこうも「無関心」がまかり通ってしまうのか・・・。日本社会論の本質にあたるテーマであるこのことについては、いずれ僕のブログでも扱おうと思っていますが、やっぱりまず集団ありきの社会構造や、なんとなく今も続いている血縁共同体的な要因は関係あるんでしょうね。

とかいう僕も、時折自分が「無関心の暴力」に加わってしまっていることに気づき、愕然とすることはあります。批判だけしても、自分の行動が伴っていなければ、説得力などありませんよね(苦笑)
【2007/05/23 18:33】 URL | frty #67t2gbuM [ 編集]

frty様
コメントありがとうございます。ブログも覗かせていただきました。自分の学生時代にブログがあったら楽しかっただろうなあ、と思いましたよ。

あるていどの無関心は日本に限らず都市化に伴ってどこの国にもあるのだと思うのです。
ただ日本の場合以前なら無関心などありえなかった、農村的地縁社会の崩壊と、急激な都市化の産物、つまり自分の住むコミュニティーに自発的に参加する欧州的な「市民」が生まれなかったという歴史が、それを極端にしている気はします。
ぜひfrtyさんの考察も聞かせていただきたいと思います。



【2007/05/29 11:28】 URL | みーぽん #- [ 編集]


この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
http://miepong.blog81.fc2.com/tb.php/23-e61675e6
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

日本会議 世俗権力 方便としての宗教

内部をよく知る人の分析によると、日本会議を組織するグループは3つに分けられるといいます。1.保守系文化人グループ  『諸君』『正論』産経新聞などでおなじみの、いわゆる論客たち。2.一般会員  善意の人たち。  日本 とむ丸の夢【2007/04/24 15:07】

無関心という時限爆弾

統一地方選後半の票が全部開いた。 政界地図は劇的には変わらなかった。 参院補選も自公・民主の一勝一敗だったけど、今の与野党はあまりにも似過ぎてて、いまいちエキサイトしません。 でも自公連合に入れるよか100倍もマシな所が悲しすぎる。 それにしてもひでー投票率だ Saudadeな日々【2007/04/24 15:59】

知らない事の罪

一生懸命何か書きたいと思うのに書けない自分がいます。でもこの一言が書けるようになっただけマシだと思います。きっかけは・・長崎市の伊藤市長の死だったかもしれない。ただ、お玉はいつもその場では自分自身の心に気がつけないので、、「何となく」ああ今は書きた.... お玉おばさんでもわかる政治のお話【2007/04/24 22:59】

知らない事の罪

一生懸命何か書きたいと思うのに書けない自分がいます。でもこの一言が書けるようになっただけマシだと思います。きっかけは・・長崎市の伊藤市長の死だったかもしれない。ただ、お玉はいつもその場では自分自身の心に気がつけないので、、「何となく」ああ今は書きた.... お玉おばさんでもわかる政治のお話【2007/04/24 23:02】

敗北の翼 トロント映画祭

朝のニュースから引用。 カナダのトロントでは、毎年、ドキュメンタリー作品の映画祭が開かれ、ことしは1700点余りの応募作品から選ばれた129点が11日間にわたって公開されています。 監督を務めた日系2世の森本 とむ丸の夢【2007/04/26 17:44】

民主党候補についての誹謗中傷 組織的か 

都知事選と参院沖縄補選で、それぞれ8日と22日の投票日数日前から民主党や同党が支援した書き込みがインターネットの掲示板に、計延べ10万件が集中的に貼り付けられ、組織的に行われた可能性がある、と今日の朝刊に報道されて とむ丸の夢【2007/04/27 12:54】

頑張れ、ニート、フリーター、おばさんも応援するぞ

 朝一番で雑談日記さんの所にバナーをいただきにあがると、「自由と生存のメーデー07 プレカリアートの反攻」のデモのようすが詳しく載っていました。 去年のサウンドデモでは不釣り合いにものものしい警戒の中で、車 とむ丸の夢【2007/05/03 22:08】

痴漢と言えば「植草」でしょ(笑)

あちらこちらとリンクを辿っているうち、面白いものを発見した。 ★★反日ブログ監視所★★【2007/05/10 02:21】

プロフィール

みーぽん

Author:みーぽん
複数の外資系秘書を経て英語通訳者に転身、2007年に夫の地元カリフォルニア州サンタクルーズに引っ越しました。
2年間こちらで環境金融の会社のアドミ&会計を担当した後、2009年からフリーで通訳・翻訳をしています。
TwitterのIDは@miepongです。



最近の記事



最近のコメント



最近のトラックバック



月別アーカイブ



カテゴリー



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



リンク



ブログ内検索



RSSフィード



メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:





上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。