みーぽんBLOG from カリフォルニア
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マイケル・クレア ペンタゴン、グローバルな石油のガブ飲み屋
前回触れた、「血と油」の著者、マイケル・クレアのエッセイ「米国国防総省V.ピークオイル」を紹介します。

これを読むと、米軍の戦略が「アメリカン・ウェイ・オブ・ライフ」を守るためだ、とよく大統領が言うとおり、石油資源の確保と結びついていること、しかしそれが逆に石油の大量消費につながっているばかりか、石油価格の上昇によって軍事予算も圧迫していることがわかります。

日本の対米依存も石油資源の問題と切り離して考えることはできません。また、今後もし自衛隊がさらに補強されるなら、日常の訓練のためだけでも、石油の消費量はさらに増えるでしょう。

この文で直接触れられてはいませんが、米国がことさらイランを敵視するのは、イランには豊富な石油資源がある、ということを念頭におくと一気にわかりやすくなります。

クレアが言いたいことは結局最後の文章に集約されています。

ちなみに前段の紹介文はトム・ディスパッチの編集者、トム・エンゲルハートによるものです。長いのでお時間があるときにどうぞ。
マイケル・クレア、ペンタゴン:グローバルな石油ガブ飲み屋 

今日は戦争とエネルギーの専門家であり、必読書「血と油」の著者であるマイケル・クレアが、米国国防省自体が自らのタンクを満たすとは何を意味しているのか、新鮮な視点を示してくれる。結局国防省のハマー(大型車の)こそが、群を抜いたガソリンのガブ飲み屋なのだ。

一方、イラクの占領において、ブッシュ政権はいまだ営業中の給油所を見つけることができなかったようだ。誰もがはっきり覚えているように、2003年のイラク侵入の前に、政権はイラク石油が占領、再建、 -- そして決して口にされることはなかったが、米国の永久な占領の費用を支払ってくれると確信していた。2003年当時国防長官代理であったポール・ウォルフォウィッツは古典的に、イラクは「石油の海に浮いて」おり、議会の委員会に「(イラクの)石油収入によって今後2,3年間に500-1000億ドルをもたらすことができる。我々は自分の復興を自分で賄える、それも比較的すぐにできる国を相手にしている」と指摘した。

しかし4年たって、石油関係の労働者のストライキの脅威の下、イラクは一日160万バレルの石油をくみ上げているに過ぎない、、、これは経済制裁の制約下のサダム・フセイン政権の最悪の時期をほぼ100万バレル下回る。さらに、実際にはワシントンが準備し、多国籍(つまり米国)企業にイラクの石油を開放する石油関連法案は、民主党と共和党からイラクの進歩の重要な「到達点」と宣言されたが、暗礁にのりあげている、いや、石油の海でおぼれているというべきか。

クレアがペンタゴンを評して言う「毎日が湯水のように」石油を使う中東の戦闘地域の状況を見るにつけ、ある意味でブッシュ政権は「空手で働いて」おり、ブッシュドクトリンは「石油戦争」に新たな意味を与えたと言えるかもしれない。私たちはいつの日かアメリカの権利そのもの、つまり石油製品でわれわれの兵器を動かすことのためだけに、「石油戦争」を戦うようになるかもしれない。


米国国防総省V.ピークオイル

未来の戦争は、兵器を動かすためだけに戦われるかもしれない
マイケルT. クレア

16ガロン(訳注:約60.5リットル)の石油。 それはイラクおよびアフガニスタンの一般のアメリカの兵士一人が毎日消費する平均的な量である -- 直接、ハンビー、戦車、トラックおよびヘリコプターの使用によって、または間接的に航空爆撃の出動によって。 イラクの162,000人の兵士、アフガニスタンの24,000人、そして周囲の地域(ペルシャ湾の米国の軍艦の船員を含む)の30,000人の人数を掛ければ、350万ガロンの石油になる: 中東の交戦地域の米国の戦闘活動のための日々の石油の帳簿である。

一日あたりの帳簿に365を掛ければ、南西アジアの米国の戦闘活動のための推定石油使用量は130億ガロンになる。これは人口1億5千万人のバングラデシュの年間石油消費量を超える。それでもこれはペンタゴンによる戦時の消費のだいぶひかえめな見積もりに基づくものである。

こういった数字だけでイラクおよびアフガニスタンの戦争の異常なガソリンがぶ飲みの費用を十分に評価したとはいえない。 結局、戦域に配置された兵士ひとりあたりにつき、二人ずつの兵士が移動中か訓練中であるか、もしくは戦闘地域にいずれ配置されるために待機中の—海外の戦友より少ないとは言え、巨大な量の石油を消費する兵士がいる。 さらに、世界中あちこちで「遠征中の」軍隊を支えるために国防省は航空機か船舶によって何百万トンもの兵器、弾薬、食糧、燃料および装置を毎年運搬するのに、タンカーいっぱいに積んだ石油を消費する。実際にいくらになるかわれわれに知るすべはないが、これをすべて集計すればペンタゴン戦争関連の石油の予算はかなり跳ね上がる。

そして国外の戦争は、悲しいことに、ペンタゴンの石油の総消費量のほんの一部分を占めるに過ぎない。 世界中で最新の航空機、ヘリコプター、船、戦車、装甲車両および支援システムを最も大量に所有し –これらは事実上すべて石油によって動力を与えられる—事実国防省は世界でも有数な石油の消費者である。 国防省の毎日の石油消費量を細部にわたって正確に得ることは困難ではあるが、ペンタゴンの防衛関係の請負業者であるLMIガバメント・コンサルティングによる2007年4月のレポートは日量340,000バレル(14,000,000ガロン)にまで上るかもしれないと示唆している。 これはスウェーデンまたはスイスの国民の総消費量を上回る。

「大砲対バター」ではなく「大砲対石油」を

いまどき自動車を運転するだれにとっても、ここには不吉な意味がある。ガソリン価格がたった6ヶ月前と比べて1ドルあたり75セント上昇した今や、ペンタゴンも深刻な予算不足の可能性に直面しているのは明らかである。

あらゆる普通のアメリカの家庭と同じように、国防省は難しい選択を行わなければならない: 他の基本的な費用を削減して石油は従来どおりの量を使用し、米国国防総省のくみ上げ装置に相当するもの(基本的な費用を削減してお金をまわした追加予算)でより多くを支払うことか; もしくはお気に入りの兵器システムの開発を守るために石油の使用を削減するかである。 当然、国防省には第3の選択がある: それは議会の前に行き、更に補正予算の追加を乞い願うことである。これはイラクからの米軍の撤退のタイムテーブルを早めよという呼びかけを確実に誘発する、従って現時点でその見通しはまずありえない。

これは単に一時的な問題ではない。 わずか2年前、米国のエネルギー省は確信をもって原油の価格が次の四半世紀ほどは1バレルあたり30ドル程度にとどまると予想し、ガソリン価格は1ガロン2ドル程度になると予測していた。 そこへハリケーン・カトリーナ、イラン危機、南ナイジェリアの反乱、その他もろもろの問題のせいで石油市場の引き締めが起こり、エネルギー省は長期的な価格予想を1バレルあたり50ドルまで引き上げざるを得なくなった。これが現在の政府が予算上の予測量である – ここには国防省のものも含まれるはずである。 しかしこれはどれほど現実的なのだろうか。 原油の1バレルあたりの価格は$66程度で前後している。 いまや多くのエネルギーアナリストは1バレル70ドルから80ドルという値幅(もしくはそれよりはるかに高く)のほうが近い将来に起こりそうな運命だと言う。

これほどの価格上昇は、ガソリン、航空燃料、ディーゼル燃料、家庭の暖房用の燃料および石油化学製品の費用に換算されると、家計、農家、企業および地方自治体の予算を破壊する。 遅かれ早かれ、人々は日常生活の根本的に変えてしまう—不可避な通勤のために、SUVの変わりにハイブリッド車を購入するといった容易なこともあれば、暖房費または医療費を削るという痛みを伴うものもあるだろう。 これはペンタゴンの予算にもひとしく厳しい効果をあたえる。 石油製品の世界消費の第一人者として、国防省は原油の価格の倍増によって明らかにかたよった影響を受ける。 補正予算を議会にあてにすることができなければ、石油の浪費を減らし、同時に、もしくは兵器の購入を含む他の費用を削減しなければならない。

石油の価格の上昇は米国国防総省のコンサルタントのLMIが、軍のエネルギー市場に関する長期的なゴールと現実の間の「財政的な断絶」と呼ぶものを作り出している。 「時代遅れで[イラクおよびアフガニスタンの戦争によって]痛んだ装備を再編成し、未来の作戦上のコンセプトを実行するためにハイテクシステムを開発する必要性が高まっている」と2007年4月のレポート、には説明されている。 ただし、「燃料と補助的なインフラによるエネルギーコストを抑えることが不可能なので、資源の転換をしなければ新たな能力を調達することはできない。」

そしてこれはペンタゴンの心配のなかでも最少のものらしい。 国防省は結局、世界で最も金持ちの軍組織であり、石油料金や多くのお気に入りの兵器プロジェクトに融資するために、あれやこれやの隠し口座から支払いをしてもよいのかもしれない。 但し、これはペンタゴンの常に上昇し続けるニーズを満たせるほど十分な石油が世界の市場で入手可能だという仮定のもと– それが絶対的な前提条件である。他のすべての大口の消費者のように、国防省は今現われつつある-- しかし判断するのは難しい –「ピーク・オイル」という現実に直面しなければならない; つまりグローバルな石油生産は持続可能な最高限度(「ピーク」)の採掘量に達した、またはそれに近い状態であり、やがて逆戻りできない低下を始めるという現実的な可能性である。

グローバルな石油の採掘量はいずれピークに達し、やがて低下することにもはや議論の余地はない; すべての主要なエネルギー関連団体は今この見解を抱いている。 あとは正確にはいつその瞬間が訪れるかの論争があるにすぎない。専門家の中には気楽に将来にそれを置く –2,30年先に現れる –というものもあれば、まさにこの十年のうちに置くものもある。 一致点があるとすれば採掘量のピークがおよそ2015年前後に起こるということである。そのタイミングがいつであれ、われわれにとって比較的エネルギーが豊富な状態から欠乏状態に移ることにより、世界がエネルギーのグローバルな供給の根本的な変換に直面するということは明らかだ。その変換がなにより起こるのは、ペンタゴンにとって最も需要があるエネルギーの形態-航空機、船舶および装甲車両に動力を与えるのに使われる液状の石油だ、ということは注目に値する。

ブッシュ・ドクトリンはピーク・オイルに直面する

ピーク・オイルは、国防省がかつて直面しなければならなかったグローバルな脅威のなかには含まれていない; そして、他の米国の政府関係機関と同じくささいな問題とみなして最近まで避けてきた。 しかしピーク・オイルの差し迫った到来のきざしが増すにつれ、居住まいを正して注視するようになった。燃料価格の上昇、もしくは戦略の専門家による「エネルギー保障」への注目が高まったことにおそらく拍車をかけられて、国防省は突然この問題に興味を持つようになった。 その探求の指針を求めて、国防次官室直属の「米軍変革室(Office of Force Transformation)」はペンタゴンの戦略計画のため、将来のエネルギー欠乏の影響を調査するようLMIに依託した。

調査の結果は、爆弾のように「国防省のエネルギーに対する」見方を一変させた。LMIは世界中への軍事的関与というペンタゴンお気に入りの戦略は石油の採掘量が低下する世界とは相容れないと断言し、「現在の計画では軍の作戦能力の総計は長期的に維持できないかもしれない状態を示している」という結論を下した。

LMIは現在の米国の軍事ドクトリンを注意深く分析してこの結論を導き出した。ブッシュ政権が課した国家防衛戦略の中心-- ブッシュ・ドクトリン ;には 2つの核となる原則がある:変換、つまり冷戦時代の鈍重な重戦車的な兵器から、機動的で、大陸を飛び越えるハイテクで未来的な戦争マシーンへの変換; そして先制、イラクおよびイランのように大量破壊兵器を求めているとされる「無法国家」に対して敵意をもって先制攻撃をすること。 いずれの原則をもっても、それに伴なうペンタゴンの石油製品の消費の増加は相当なものである。それはこうした計画がますます空軍力と海軍力に依存するからであり、それによって軍事活動のテンポがますます加速するからでもある。

LMIが要約するように、ブッシュ・ドクトリンの導入は「わが軍が地理的に拡大し、移動可能で進攻的になり、それによってより多くの戦域で戦闘に従事して、世界のどこでも目的にかなった配置のために待機する」ことができるようになることを要求する; 同時に軍は「反応的な姿勢から積極的な姿勢に転換し、敵軍が破局的な可能性のある攻撃のために組織化したり、攻撃を行う意欲を失わせる。」さらに続いて「こうした活動を実行するために、米軍はさらに強くエネルギー問題に集中する必要がある、、、作戦のための燃料消費の傾向や将来の能力的なニーズを考慮すると、この「新」軍雇用体制の配置のために、さらなるエネルギー・燃料を必要とする見込みである。」

その結果生じる石油消費量は劇的に増加しそうだ。 1991年の湾岸戦争の間に、一般のアメリカの兵士は1日あたりの石油の消費はたった4ガロンだった; ジョージw.ブッシュのイニシアチブの結果として、イラクにいる米国の兵士は今その4倍ほど使っている。 この上昇率がこのまま続くと、次の戦争では1日兵士1人あたり64ガロンの消費になりかねない。

ブッシュ政権の未来のミサイル戦争のための原則と、グローバルなエネルギー事情の間に厳しい「作戦上の断絶」があるというLMIの結論は、こういった状況にしっかり論理付けられている。ブッシュ政権は、とLMIは言う。「作戦上の能力をハイテクな解決法に結びつけたが、それはエネルギー源の継続的な増加を要求する 」-- しかも歴史上可能な限り最悪な瞬間にそうした。 結局、グローバルなエネルギー供給は拡大するより、むしろ減少しはじめそうだ。「明らかに、」とLMIは2007年4月の報告書に記す。「エネルギーの影響が考慮されなければ、われわれの安全保障戦略を達成するための作戦上の概念および能力は実行できないかもしれない。そしてこういったエネルギーの影響を考慮すれば、作戦は「持続できない」ように見える。

グローバルな石油保護産業としての米国国防総省

軍はいかにこの予想外の挑戦に答えるか。 国防省の内の一部支持される1つのアプローチは「グリーン」で行くことである -- すなわち、低燃費の兵器システムの開発を加速し、購入することを強調すれば、ペンタゴンはブッシュ・ドクトリンへのコミットメントを守りつつ石油の消費は減らすことができる。 このアプローチがもし実行可能なら、米国国防総省は環境にやさしい外見をよそおいつつ、既存の侵略的な軍の構造を維持開発できる、というのは明らかな魅力だ。

しかし高官たちにはるかに好まれるかもしれない、より不吉なアプローチもある。 ペンタゴン自身に永遠の「信頼できる」石油資源を確保するために、海外の供給源、ペルシャ湾地域、特にイラク、クウェート、カタール、サウジアラビアおよびアラブ首長国連邦の油田と製油所に対する支配を維持する努力を強めるというものである。これによって最近の米国のイラクの「恒久的な」基地の維持といった話や、すでにこれら諸国にある立派で精巧な基地のインフラといったものの説明がつく。

米軍ははじめ、第二次世界大戦中に中東、アジアでの戦闘活動を維持するためにペルシャ湾の業者から石油製品の調達を始め、それは今でも続いている。1945年にルーズベルト大統領がペルシャ湾への米軍の配置を最初に提案したのも、ひとつには貴重な石油資源を軍事的目的のために保護するためだった。後に、ペルシャ湾の石油の保護は米国の経済的な福利にとってより重要になった。それはジミー・カーター大統領が1980年1月23日の「カーター・ドクトリン」の演説ではっきり述べたとおりであり、そしてまた1990年8月にジョージ・H.Wブッシュ大統領がサダム・フセインのクウェート侵略を止めようという決断、そして、一回目の湾岸戦争につながった。そしてすでに多く論じられているように、若い方のブッシュが10年以上たってイラクを侵略する決心にもつながった。

やがて米軍は米国企業や消費者のための「グローバル石油保護産業」へと変貌し、海外での戦争を戦い、私たちの日々の燃料確保のために基地を設置するようになった。もし軍が今ではそれ自体の航空機、船舶および戦車を動かす石油を確保するための戦争を戦い始めたのだとしたら、悲しくもあり、皮肉でもある。そこに毎年何千億ドルを費やすかわりに、石油の代替品の開発に使うこともできるのだから。

マイケル・クレアはハンプシャーカレッジの教授で平和と国際安全保障の専門
著書「血と油:アメリカの石油獲得戦争」

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プロフィール

みーぽん

Author:みーぽん
複数の外資系秘書を経て英語通訳者に転身、2007年に夫の地元カリフォルニア州サンタクルーズに引っ越しました。
2年間こちらで環境金融の会社のアドミ&会計を担当した後、2009年からフリーで通訳・翻訳をしています。
TwitterのIDは@miepongです。



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