メディアの本丸はもうネットに移ったな、という印象。たった今、夫と私でマイク・グラベルのセカンド・ライフ内の選挙本部を訪れ、キャンペーン担当者とチャットしてきました。懸案となっている「国民医療システム」については、国民皆保険ではなく「バウチャー制」を取っているとの事。日本で選挙前にこんなこと、候補者の陣営のスタッフと気軽にできるなんてありえなーい、という感じです。
さて、今朝真っ先に気になったのはこちらのニュースでした。
東京新聞:政治との距離 疑問の声 NHK新経営委員長に古森氏
二十六日開かれたNHKの経営委員会で、新委員長に古森重隆・富士フイルムホールディングス社長が選出された。経営委員会は、NHKの予算・事業計画を最終的に承認する機関。そのトップは強い権限を持っているが、古森氏は安倍晋三首相に近いとの見方もあり、「政治との距離」の点で、放送に詳しい有識者の間からは疑問の声も出ている。
それでちょっとこの件についてどんなブログが書かれているか見てみようと思ったら、重大な事実を発見しました。
なんと、本来、NHKの経営委員長は互選されるべきはずが、すでに1ヶ月前には政府の方針で決まっていた、ということが、Rolling Beanさんのブログ(JCJ機関誌ブログからの転載)にのっていました。
5月18日付けの全国紙は、空席になっているNHK経営委員長に政府が富士フイルムホ-ルディングス社長の古森重隆氏を起用する方針を固めたと報道しました。この報道が事実とすれば、政府は放送法に違反することを承知のうえで、NHKの最高意思決定機関の長の選任にあからさまに介入したことを意味し、私たちは激しい憤りを禁じ得ません。
視聴者を代表しての署名活動が行われたようですが、残念ですがそのことさえ知らぬままに決まってしまいました。 青臭いことはあまり書きたくないのですが、わたしにとってのNHKは子供のときから「NHK特集」や「大河ドラマ」や「シルクロード」などで時事問題、歴史、国際問題への扉を開いてくれたメディアでした。 今では「クロ現」や「アーカイブ」をたまに見たり、毎朝子供に支度をさせながら教育TVの子供番組を見せたりしています。 例の「番組改ざん問題」について、参議院選挙を前に、もう一度思い起こしたいと思います。JCAのウェブサイトによれば
判決は、NHK側が番組放送の数日前に安倍氏をはじめ複数の自民党政治家と面談したこと、安倍氏がその場で日本軍「慰安婦」問題についての従来からの持論を展開した上で「公正中立の立場で報道すべき」と主張したこと、NHK側がこれを受けて「その意図を忖度(そんたく)して指示、修正が繰り返された」こと、すなわち圧力と感じて番組を改変した過程そのものを認めた。これは、政治家による介入・圧力が存在したことの事実上の認定に他ならない。
にも関わらず、実際には
圧力をかけた張本人である安倍首相が大写しでテレビに出て、「介入はなかったことが証明された」と開き直っていたからである。しかも被告であるNHKがわざわざ翌日のニュース番組で、安倍氏に向かって申し開きをするように、「判決は政治的圧力は認められなかったとしています」などと事実を完全にねじ曲げて報道した。
アメリカのように公共放送のPBSでさえコマーシャルが入る国と較べれば、視聴料で支えられてきたNHKの今までの中立性は、国民の「知る権利」にとって欠かせないものだったと思います。
そのNHKが「プロジェクトX」で企業におもねるようになり、また政府の意向を入れた人事を行うようになった今、もはやテレビというメディアに「ご臨終宣告」が下されたようなものかもしれません。
ウェブを通して自由に情報の受発信をできる人間はまだ恵まれていますが、高齢者やPCを持てない層との間で、アクセスできる情報の質の格差がどんどん広がっているのを感じます。
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